フルリモートの効果的なチームビルディング — Gatherを活用した開発プロジェクト成功の鍵
目次[非表示]
- 1.初めに
- 2.メンバー選定の重要性
- 3.フルリモート開発の試み
- 4.Gather導入によるコミュニケーションの活性化
- 5.チームビルディングの取り組み
- 6.成果と今後の展望
- 7.最後に
初めに
請負開発のプロジェクトマネージャー(PM)を任されることになりました。私の役割は、チーム編成を決定することであり、メンバーのスキルや経験を考慮しつつ、育成にも配慮したバランスの良いチームを構成することが求められました。
案件を遂行する上で最初に行うべき重要なステップがメンバーの決定です。次に開発体制を整理し、チームビルディングを行う必要があります。
今回の記事では、メンバー選定やチームビルディングについて述べていきます。
メンバー選定の重要性
まず、メンバーの選定が重要な理由は、案件内容に適したスキルのバランスが取れるかどうかが、案件の遂行難易度に直結するからです。
私のプロジェクトでは、育成メンバー、ミドルエンジニア、シニアエンジニアをバランス良くアサインすることができました。また、各エンジニアにはあらかじめ役割を設定しました。具体的には以下のような役割です:
- PM
- PM補佐
- 技術アドバイザー
- エンジニアリーダー
- 実装者(進捗を引っ張る人材)
- 実装者(サポートありきで頑張ってもらう人材)
この試みの良かった点は、各メンバーがこの案件で求められている動きをあらかじめ意識できたことです。たとえば、技術アドバイザーやリーダーポジションを担う上位エンジニアには育成サポートを行いつつ、プロジェクトの基盤を整えたり、進行に大きな影響を与えるタスクを担当してもらいました。一方で、育成メンバーにはサポートメンバーを配置し、安心感を持たせることで開発への心理的安全性を保つ狙いがありました。
ただし、アサインしたメンバーには難点もありました。ほとんどのメンバーが他の案件と掛け持ちしていたため、開発初期は専任である育成メンバー中心で進めざるを得ませんでした。しかし、この課題がある中でも、サポートの役割分担があったため、育成メンバーは新しい技術に挑戦する環境を得ました。この新しい技術は多くの問題を伴いましたが、先輩エンジニアがキャッチアップや助言を行うことで、期待以上の進捗スピードを達成しました。
結果として、社内スケジュールに沿った開発を進めることができました。
フルリモート開発の試み
次に今回の開発案件で注目すべき点は、「フルリモート開発」であることです。弊社は東京都、名古屋、大阪、福岡、霧島の5つの拠点がありますが、メンバーは東京、名古屋、霧島から構成され、直接会ったことのないメンバーもいました。
弊社では従来からチャットツールやオンラインミーティングツールを使用してリモート開発を行っていましたが、今回新たに全社で導入されたのがバーチャルオフィス環境を構築できる「Gather」(https://ja.gather.town/blog/guide-getting-started)でした。Gatherは、「チームで集まり、共同作業をしたり、人間関係を構築できる仮想空間で、世界中のどこにいても、まるで同じ場所にいるような感覚で働ける」プラットフォームです。
Gather導入によるコミュニケーションの活性化
Gatherの導入により、さらに効率的な開発が促されました。デイリーミーティングをGatherで行うだけでなく、アバターを使って「手を振る」機能で他メンバーを呼んだり、近づくことで物理的距離を感じさせないコミュニケーションを実現しました。
導入当初はGatherに対する慣れがなかったため、コミュニケーションが活発ではありませんでしたが、私から積極的に機能を利用してメンバーに話しかけました。これはプロジェクト遂行に必要なチームビルディングを促進するためです。
チームビルディングの取り組み
メンバー間は、初めて一緒に働くメンバーばかりでしたので、最初は緊張感があり、会話や助け合いがしづらい状況でした。そんな中では、支援体制があっても案件がうまく進行しない可能性がありました。チームビルディングの目的の一つは、コミュニケーションの活性化です。コミュニケーション不足が組織の機能不全の原因の一つに挙げられるため、特に気を配りました。
幸いにも、私自身は拠点のメンバーや案件で関わったことのあるメンバーばかりだったため、各メンバーのレベルやパーソナリティを理解しているという強みがありました。コミュニケーション活性化のために特に意識したのは育成メンバーでした。Gatherの手を振る機能を使って、彼らに話しかけることで、どのレベルの質問を投げるべきか、何を誰に聞いたらよいか、聞きづらいという状況を克服する手助けをしました。
成果と今後の展望
数日間、このようなアプローチを継続した結果、上位メンバーと育成メンバー同士の自然なコミュニケーションが活発になりました。(メンバー同士の交流がアバターを通してみれるのもgatherの良い点でした!)このように、メンバーのアサインや役割の明確化、フルリモート環境でのコミュニケーションの活性化を図ることで、初めてのメンバー同士でも信頼関係を構築することができました。特に育成メンバーは、新しい技術に挑戦する中で成長の機会を得つつ、安心して業務に取り組むことができました。
さらに、gatherを活用したバーチャルオフィス環境は、物理的距離を感じさせないコミュニケーションを促進し、メンバー間の連携を強化する重要な要素となりました。この結果、チーム全体が一体感を持ってプロジェクトに取り組むことができました。
最後に
今後もこの経験を活かし、さらなるチームビルディングやメンバー育成に努めてまいります。チームの力を最大限に引き出し、案件成功に貢献する所存です。